猫との生活ってどんなもの?

最近はペットを飼う人が増えました。中でも犬は安定した人気のようですが、ペットショップを覗いてみると、犬と同じくらい猫も人気だということがよく分かります。しかし実際に飼うとなると、なかなか決心がつかないものです。またこれまで猫を一度も飼ったことがなく、自分は猫との相性がいいのだろうかと迷っている方もいるかもしれませんね。でもそのような心配は無用ですよ。

猫は人間の言う事を聞かず、躾けはできないと言われていますが、これはつまり猫においては躾けの失敗はあり得ないということを意味しています。犬ならば最初にしっかり躾けて主従関係を覚え込ませておかないと、後で問題行動が起こって飼い続けることが難しくなることすらあります。犬が一旦こうなってしまうと、ドッグトレーナーに依頼するなどしない限り、その矯正は困難だと言われています。

しかし猫にはそのような心配がありません。そもそも猫には躾けで主従関係を教える必要がないのです。猫は自然状態では社会生活をせず単独行動をするために、飼主との関係は非常にアッサリとしたものになります。猫は、飼主がどう思っていようと、やりたいことはやるし、やりたくないことは絶対やらないという、非常に羨ましいというかわかりやすい性質の生き物なんです。

ここに躾けの入る余地はありませんので、猫にしてもらいたくないことがあったら、猫がそれをしても問題がないように人間側が工夫するしかないのです。またご飯をねだる時と寒い時期に膝に乗りたがる以外は、飼主への要求も非常に少ないというのも猫の特徴です。このような性格のパートナーと一緒に暮らしていると、まるで肩の凝らない友達と一緒に居るような、気楽な生活を楽しむことができるでしょう。

猫は室内だけで暮らすことができます!

いまだに猫は半分家で、半分外で暮らすものと思い込んでいる方もいますが、猫の飼い方としては100%室内で外へは出さないというのが基本です。これは外の世界が猫にとって危険だということもありますし、また近所に糞尿などで迷惑をかけ、それが原因で猫が嫌われたり憎まれたりすることを避けるという意味もあるのです。田舎などで猫が自由に外を闊歩しているような地域もありますが、これはむしろ例外で、通常街中ではそのような飼い方は不可能なのです。

また座敷犬であっても犬ならば必ずお散歩をしたがりますが、猫の場合は室内の運動だけで事足ります。トイレも室内の猫トイレでしますから、敢えて外へ出る必要はありません。ただしそのためには、猫がストレスなく動けるような環境づくりは必要になってきます。猫が大好きな高い所へ登れるようにしたり、リラックスできる安心な寝場所を作ってあげれば、マンションの一室でも十分に楽しく暮らすことができますよ。

また猫が部屋の中で安全に安心して暮らせるための環境を整えることは、やはり飼主としての最大の責任でしょう。それには猫独特の性質をよく理解することも大切です。私自身、マンションの室内で数頭の猫と暮らしていますので、その経験談も交えながら室内飼いのコツを順を追ってご紹介しようと思います。

猫の最期を見届ける・避けられない寿命と病気に向き合う

いわゆる野良猫と言われる外だけで生活している猫は、病気にかかったり怪我をする危険性も高く、その寿命は3、4年しかないとも言われています。避妊をしていなければ子供は次々生まれますが、大きくならずに亡くなる子も少なくないでしょう。そのため平均寿命として計算しなおせば、更にもっと低くなるかもしれません。

一方で室内で生活している猫は、長生きすれば20年前後、平均で15年前後の寿命が期待できます。仔猫時代から世話をして大きくした猫も、今度は看病や介護、そして最期の看取りが課題になってくるのです。人間は猫との暮らしで大きな楽しみを味わうこともできますが、同時に猫の一生を見守るという大きな役割があるということも忘れてはなりません。

猫は高齢になっても、外見上は若い頃と変わらず、特に衰えて見えないことも少なくありませんが、一般的には毛艶が失せて痩せて来たりします。歯も歯槽膿漏になったり抜けてしまったりもするので、食べにくそうならば柔らかいフードに変えるといったことも必要になってくるでしょう。

高齢になれば当然病気の機会も増えてきますが、若い猫でも病気になることはあります。予防接種だけでは防げない病気としてはガンや心筋症があり、猫にとても多いのが泌尿器系の病気である腎炎や腎不全です。早い目に投薬して気長に治療することで長生きできることもあるのですが、急速に病気が進行する場合もあるので注意が必要です。

幸いこのような病気にならなくても、10歳を超えると今度は人間と同様認知症の症状が表れる場合があります。病気の猫の看病は飼主にとって非常に辛い経験ですから、認知症になるまで長生きできるのならばまだましではないかとも思えるのですが、経験した方によるとこれもやっぱり辛いそうです。猫の最期を看取るのですから、どんな亡くなり方であっても辛いに決まっていますよね。

認知症の場合、人間と同様に徘徊することもあります。このオーナーさんの場合も、高齢の猫がどこかへ行きたがって夜中に鳴いたりするので、なだめるのが大変だったそうです。これ以外にも様々な異常行動がみられ、食べ過ぎたりその反対に全く食べなかったり、同じ場所でぐるぐる回るなど、飼主さんにとっては見ているだけでも辛い状況になってきます。

死期の近づいた猫は、自分で死に場所を探しに行くのだという話を聞いたことがある方もいるでしょう。完全室内飼いでなく半分外飼いにしていると、実際に具合が悪くなると姿を消してしまう猫がおり、自分の飼い猫なのにどこで亡くなったのか分からないという人も多く見られます。しかしこれは、別に死に場所を探しに行く訳ではないと言われています。

猫は外敵を常に警戒していますので、自分が動けなくなってしまうと身が守れなくて不安になるため、より安全な隠れ場所を探しにいくというのがその理由だそうです。体力がなくなると、これまでのように高い所へジャンプして逃げることもできなくなるので、体調が悪いのをおしてでも外敵の来ない隠れ場所を見つけようとするのでしょう。昔ならば縁の下や薮の中など、他の猫や動物から見つからないような場所で死期を迎えたと考えられます。

しかし室内飼いの猫の場合、自分で安心な場所を探しに行くという訳にはいきません。またお家の中ですっかり安心して暮らしている猫ならば、どこかへ行く必要なんて感じないかもしれませんね。経験者の猫オーナーさんの話を聞くと、一番好きだった人の側へ行って亡くなったという例も少なくありません。室内猫が最終的に人間の側が一番安心できたということは、正に飼主冥利に尽きる話だと言えるでしょう。

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決死の覚悟!?猫を安全に病院へ連れて行く方法とは?

健康でピンピンしている猫でも、健康診断や予防接種のために最低でも年に1度は動物病院のお世話になります。特に仔猫の間は避妊手術などもありますから、度々病院へ行く機会があるでしょう。どの動物も病院は大嫌いですが、猫は特に病院嫌いの子が多いようです。

犬も予防接種を嫌がって路上でエンストしている子をよく見かけますが、猫の場合は危険を感じると攻撃的になることも多いので注意が必要です。中には飼主さんが血まみれになるような激しいケースもあり、病院通いには決死の覚悟が必要になったりします。これは猫の性格にもよりますから、警戒心が強く記憶力もよく、病院が大嫌いな子はどうやってもダメです。しかしそこそこ平均的な子ならば、何とかなる場合も多いんですよ。

やはり何事も最初が肝心です。初めて病院へ行く時に大格闘をやってしまうと、二回目以降も必ず尾を引きます。逃げるのを無理矢理ひっつかまえてキャリーにギュウギュウ押し込んだりすると、猫としては信頼している飼主さんにとても怖い思いをさせられたことがトラウマになってしまい、今後病院へ行く度に大変な思いをすることになりますよ。

そのようにならないためには、病院行き用のキャリーは、普段からフタを開けたままの状態で出しておき、ベッドや遊び場として使うようにしておくのがコツです。そうでないと、キャリーを出した途端に怖がって隠れてしまうようになります。

また病院へ行く前には極力さりげない風を装いましょう。「病院へ行かなきゃ!」と物々しい雰囲気で猫を見据えながら近寄ったりすると、どんな猫でも何事かと警戒します。横を向いて何か他のことでも考えながら、猫がキャリーの側に近づいた時を見計らって、さっとお尻を押して中へ入れてしまいましょう。

それまでには病院へいく準備は全て整えておき、キャリーのフタをパタンと閉めたら時間を置かず、すぐに出かけるようにします。猫の為にはやたらと不安な時間を長引かせないというのも大切ですよ。キャリーには色んなタイプがありますが、これは横から猫を入れるタイプのキャリーの場合です。上蓋タイプの方が猫を入れやすいという声もよく聞きますので、これはあくまで一例としてご参考になさってくださいね。

さてこうやって無事動物病院へ到着してからも、決して気を抜かないよう注意してくださいね。待っている間はキャリーの中の様子も気になりますが、待合室では間違ってもキャリーの蓋を開けないようにしましょう。待合室には知らない人間だけでなく、犬や猫など動物がたくさん居ますから、興奮状態になってキャリーを飛び出し、病院内を逃げ回るといった大惨事にもなりかねません。

また病気や怪我で病院へ連れていく時には、経過や病変などをあらかじめメモ書きにしておき、受付で手渡すようにするといいでしょう。怖がる猫をなだめながらでは、説明するのも一苦労だからです。生育環境、今回の病変の時期、食餌や便の様子などを箇条書きにまとめておくと、お医者さんも質問がしやすくて助かります。

病院から帰っても、いい子にしていたからといって褒めたりおやつを上げたりしない方がいいです。部屋へ戻ってキャリーから出したら、何事もなかったかのように日常生活に戻りましょう。猫も毛繕いなどすればさっきまでのことはすっかり忘れて、すぐにいつもの猫の顔に戻るでしょう。

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これは困った!たまにある猫ちゃんのヘンテコな癖とは?

今は犬というと、中型以上の犬種でも家の中で飼う方が殆どですが、昔は庭で犬を放し飼いにしているお宅もありました。このように外で自由にしている犬は、退屈しのぎに様々ないたずらをしたものです。例えば庭の片隅に人でも埋められそうな大穴を掘ったり、玄関の靴を片方ずつどこかへ隠してしまったり。その犬の性格にもよるのか、このような癖のある子はいくら叱っても暫くすればまた繰り返すようになります。

猫にもやっぱりいろんな癖のある子がいます。猫は室内飼いですから、室内にあるものがその癖の対象となるのですが、その癖は健康上に問題が起きることもあるため、飼主がそれを隠したり取り除いたりするのにとても苦労する場合があります。実は猫に多い困った癖とは、食べ物以外のものを食べてしまうことなのです。

これはその猫の性質によるもので、する子はずっとしますし、しない子は全くしません。特に執着の激しいタイプは叱ろうがなにをしようが全く効果はありませんので、対策としてはその対象となるものを徹底的に隠すしかないということになります。最初にこのような癖を見つけたら、その後もよく気をつけて観察しておくことが大切ですよ。

その食べる対象となるものは、猫によって全く異なっていますが、よく聞かれるのが羊毛や布です。これはウールサッキングと呼ばれ、猫には比較的数多く見られる行動だと言われています。ただ舐めたり齧ったりだけならばいいのですが、中には飲み込んでしまう子もいます。羊毛や布ならば特に害はないはずなのですが、実は量が多いと消化器官に詰まってしまうという危険性があるのです。

そのためウールや布を舐めるだけでなく、飲み込む量の多い子については十分に注意しなくてはなりません。この癖の激しい猫を飼っているお宅では、部屋中の布という布は全て隠してしまわなければならないほどだと言われています。

家で飼っていた猫の中に、紐状のものが大好きな子がいました。紐状のものを見つけるとゴムだろうが布だろうが、手当たり次第齧って必ず飲み込んでしまいます。そのために購入したばかりのブラインドを諦めるはめになってしまいました。調節用の紐も、ブラインドの羽根を繋ぎ合わせている紐までも、背の届く限りは全て齧って食べてしまうからです。

遠くからでも紐を見つけると飛んで来るので、糸をつかう裁縫も編み物も全くできませんでした。猫の異食癖はそのくらい執着が強いものなので、少しくらい禁止しても全く効果がありません。飲み込んでもそのうち出るだろうと思いたいところなのですが、紐も腸に絡まって危険な状態になることも多いと言われているので、とても放置はできません。

またビニール類を食べるのが好きな子もいます。これも最終的には飲み込んでしまうので、消化器官に詰まるという心配があります。このように、猫の中には様々な異物をくちゃくちゃ噛んで食べてしまう癖のある子がいるんです。健康に問題のない程度ならば大丈夫なのですが、執着の激しい子にはくれぐれも気をつけなくてはなりません。

このような異食癖のある猫たちも、もしも外で生活していたとしたらどうでしょうか。まず異食の対象である布やビニールが周囲にはふんだんにありませんし、そもそもこのような癖が出る暇もないくらい毎日が忙しいはずです。そのように考えると、猫の異食症は室内飼いの宿命だと言えます。いずれも命に関わる危険性もありますので、軽く考えず放置しないように気をつけましょう。

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それだけは止めて〜!ニャンコ様に躾は可能なのか?

犬と違って猫には躾はできないというのが一般的な見解のようです。確かに猫を見ていると、人の命令に従う気がないというか、その意味すら知らんといった雰囲気があります。昔から、猫には呼べば逃げるという習性があるというのはよく言われていることですよね。これだけでも、古今東西、猫がいかに人間の言うことを聞かないかというのがよく分かるというものです。

唯一、猫で躾がうまくいくとしたらトイレトレーニングかもしれません。犬と比べると、猫のトイレの失敗は非常に稀で、場合によっては人間のトイレの利用まで出来るようになるんですから凄いですよね。ただしこれも、猫の元々ある性質に、たまたまトイレの躾がピッタリ合っているだけのことでしょう。

一方でトイレの躾では失敗することも多い犬の方は、使役犬としての歴史も長いだけに、愛玩犬であっても実に楽しげに飼主の命令に従いますよね。おやつにつられているだけとも言えるのですが、それ以上に生き生きとして見えるのは、やはり犬が飼主の期待に応えることを、心から楽しんでいるからでしょう。

一方で猫はどうでしょうか。私も長年猫と生活していますが、猫が命令に従っている姿は記憶にありません。呼ぶと逃げるし呼んでもいないのに来るし。それどころか、猫と暮らしている多くの人が「なんだか飼主である自分の方が、猫の下僕のような気がする」と感じています。

その証拠に、猫オーナー同士の「あるある」として「猫が向こうから近づいて来たら秋だなと思う」というのがあります。暑い間はいくら呼んだって来ませんが、寒くなると温かいお腹や膝に乗りたいので向こうから寄って来るんです。そーっと近づいて来てクールな顔で乗っかってきますが、その時にはまるで自分がクッションか座布団になったかのような気分になります。

またもっと寒くなってくると、猫は寝ている布団に入りたがるようになります。犬ならば勝手にどんどん布団に潜ってくるのですが、猫は何故か「布団を持ち上げろ」と合図してきます。寒いのを我慢して布団を開けてやると、胡散臭そうにじーっと眺めてからゆっくり入って行きます。しかも3回に1回は、何が気に入らないのか「やっぱりやめとく」とそのまま去って行きます。その空しさったら!

爪研ぎなどやってほしくないことがあって叱っても、猫は余り気にしていないようです。ただし禁止されていることは分かるので、その時はさっと止めて逃げてしまいますが、また後でやろうと思っているに違いありません。家でも「それだけは止めて〜!」と言ったこともありましたが(心の中で)、壁やソファはいつの間にかボロボロになっています。ソファは安物にして、定期的に買い替えるようにしたと言っている方もいます。

万事この調子ですから、猫に躾けをしようと思ってもまず無理でしょう。というか、猫と暮らしていると猫を躾けようという発想自体がなくなります。何か困った行動があっても、人間が工夫をして被害を防ぐことで解決するというのが、猫との生活では当たり前なんです。それにしてもこれでは、やはり人間の方が猫に躾けられているという気にもなってきますね。それでも構わないと思ってしまうのは、やはり猫の魔力のなせる技なんでしょうか?

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