2匹目をお迎えするならば?ココに気をつけて!

猫は猫を呼ぶとも言われていて、何故か一匹飼うと二匹三匹と次々増えてしまうケースもあるようです・・・なんて人ごとみたいに言ってますが、自分で路上からお持ち帰りしているんですから、何故かもへったくれもありませんよね。でも「どうして今ここで猫と出会ってしまうのか?」と思わざるを得ない不思議なご縁は感じます。複数猫と生活している方は、皆さんそうなのかもしれません。

という訳で、私も含めいつの間にやら複数の猫と同居している方も少なくないのですが、人間はよくても猫にとっては幾つか重大な問題があります。新参の猫にとっても新しい環境に慣れることは大きな課題なのですが、最も深刻な問題なのは、先に飼われていた猫の心理でしょう。

私自身の経験では、仔猫を連れ帰った時の、先住猫の驚きの表情が忘れられません。唖然呆然という顔をしたあと、この子は数日間押し入れの上段に引きこもってしまいました。そのくらいショックだった訳です。先住猫にとっては全く事情が理解できませんから、ある日突然知らない猫が自分のテリトリーに入ってくればそりゃ驚きますよね。

仔猫はまだいいのですが、大人同士はテリトリー争いもあって、仲良くするのはもっと難しくなるようです。また一般に雌の方が気が荒く、雄の方が大人しいため、大人の雌同士の組み合わせは特に困難だと言われています。

飼主としては、そんな猫の心理状態に一喜一憂してしまいがちです。しかし猫が落ち着くために何より最も大切なのは、飼主さんが神経質にならないことです。威嚇しても猫パンチしても、どちらかを叱ったり庇ったりすると余計にこじれてしまいますよ。

「仲良くなるのはずっと先だけど、きっと仲良くなるだろう」と考えて、気を長く楽観的に構えていることが必要です(そして実際にそうなります!)。無理矢理仲良くさせようと焦ったり、喧嘩の度にハラハラして取り乱していると、猫の心理にも影響してむしろ逆効果だと言えるでしょう。

心理的にはゆったり構えていても、一方で多頭飼育の為の環境は着々と整えてあげなくてはなりません。少なくとも連れ帰った直後の数週間から1ヶ月の間は、新入り猫はケージに入れておくなり、部屋を別にするといった工夫は絶対に必要になります。

その後少しずつ同居できる時間を増やすというのが無理のない形でしょう。最初に怖がらせてしまうとなかなか回復しませんから、猫の不愉快さや恐怖感を最小限に留めるということが、飼主さんにとっての最大にして唯一の課題ということになります。

与えるものは、全てにおいてたっぷり目が基本です。ご飯やお水を最低でも頭数分用意するのは当然のことですが、トイレも頭数分プラス1個が基本だと言われています。また安心できる寝場所は出来る限り多く用意しましょう。猫はお気に入りの寝場所を取り合って喧嘩することが多いので、クッションやベッドなど、日当りのいい場所や安心できる高い位置に数多く用意しておくことは、猫にとって大きな意味があります。

そのうちお気に入りの寝場所に他の猫を見つけても「じゃ、あっちで寝よう」と上手に棲み分けしてくれるようになりますが、こうなってくれればしめたものですよ。そう思ってくれるためにも、快適な寝場所は出来る限り多く必要なんです。

飼主さんの愛情を取り合って喧嘩する場合もあるようですが、これについても神経質にならない方がいいように思います。猫の性質によって、人間へのアピールの強い子とそうでない子がいますから、公平さを心がけてもどうしても偏りはできてしまいます。それをクヨクヨと悩むよりは、おおらかに構えている方が猫にとっても安心でしょう。